都内の戸建て住宅にお住いのお客様です。ご主人の書斎に「Shelf デスク付き本棚」「Shelf ロータイプ本棚」を設置いただきました。
この書斎となる部屋は北側斜線を受け、長手方向の壁が一部勾配天井になっています。デスク付き本棚の縦板上部は、この勾配に合わせた角度で切り取られ、傾斜面とは少し距離を離して、その切り口の形が天井面に平行になるように加工してあります。
また、本棚と平行に、デスクと直角にスタンディングデスクを配置し、座った作業と立ち作業の両方が可能なワークスペースを構築しています。シンプルな構成ですが、これにより、間口が狭く勾配天井のある室内をほぼ一周する効率的な作業環境が完成しています。
見せない収納
デスクに座ってすぐ手が伸ばせる位置に「専用カセット」の「A4書類引き出し収納4段」と「引き出しファイルボックス2列」をお使いいただいています。これは見せない収納というよりも机上の筆記具、書類等を仕舞ってデスクトップを常時整頓されたスペースにするため、必然的にこの位置にきています。
机の木口と同じ見付寸法がそのまま廻る
デスク付き本棚は、その構造的な都合上、デスク部分の厚さと同じレベルの棚板の厚さを同一のもの(24mm)にしています。すなわち、デスク部分の見付寸法は、そのまま反対側の側板まで連続します。ここでは、更にその隣に置かれたロータイプの本棚の天板にもそのままの見付寸法で連続します。ロータイプの本棚も天板から床までのセルの寸法は共通なので同じ形で連続、用途の異なる家具を目立たない形で結んでいます。この様なディテールに気を遣った一体型の家具の存在は、気付かぬうちにその部屋の質を高めていると言えます。
ホームシアター
こうして連続した形で最後は天板として収束するラインの上方の壁面は、室内を暗転するとプロジェクターが映し出すスクリーンに変わります。天井にセットされたプロジェクターから映し出すこの映写面は、ぎりぎり本棚の側板の位置をかわしながらも、勾配天井の折れ線の真下に上端を合わせる様に現れます。
このホームシアターは、映写がされなければまず気付かないと言っていいです。壁面の折れ上がる線を越えて存在する本棚が終わりロータイプのそれに変わると、そもそも何故ここにロータイプの本棚が置かれているのかは釈然としないものがあります。しかし、そこが映写面と化した途端に、その様な思いは一掃されます。本棚の奥行分引いた位置に、まるでそこがくり抜かれた様な姿に見えてくる効果も重なります。
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