「アリス館」様は児童向け書籍の編集・販売をされている絵本の出版社です。「親子の居場所づくり、子どもの成長の応援」を本づくりの主な柱とし、思いやりとやさしさに繋がる豊かな感受性や想像力を育み、企業理念とし本をつくり続ける事をモットーとされています。
この度、アリス館様は事務所が手狭になってきたため、新たに分室として会議室を兼ねた図書室を設けました。この新しい会議・図書室は、テラス戸に向かって開放的な空間を持っており、両側の壁面には「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を3列ずつ連結して配置しています。これにより、両側の壁一面が美しい本棚で覆われています。
さらに、両側の本棚を仕切る形で「Shelf ロータイプの本棚 移動式」を4段にして製作しました。この移動式本棚は背板を持たないデザインで、自由に移動させることができるため、必要に応じて空間の使い方を柔軟に変えることができます。移動式本棚を通して見えるアクセントウォールの色とナチュラル系のフローリングの色彩の対比が美しく、この空間に調和と洗練された印象を与えています。
移動式間仕切り本棚
ロータイプの本棚にもう1段加えて4段にした移動式本棚を使用し、会議室と資料室を間仕切りとして分けています。この移動式本棚は、状況に応じて位置を調整できるため、柔軟な空間の使い方が可能です。必要に応じて二つのスペースをしっかりと仕切ることもできますし、多くの人が集まる際には本棚を移動させて広い空間を作り出すこともできます。これにより、会議やイベントなど、さまざまな用途に対応できる多機能な空間を実現しています。
この移動式間仕切り本棚はロータイプの本棚をベースにしているため、間仕切りとして使用しても壁を建てるわけではなく、向こう側が見渡せるオープンな仕切り方となっています。圧迫感を与えずに空間を分けることができ、視覚的にも抜け感を感じさせる効果があります。また、ナチュラルな素材感と移動式の利便性が融合し、実用性と見た目を兼ね備えた快適なオフィス環境を提供しています。
この会議室を兼ねた図書室の中央には2列の壁面本棚に挟まれる形で「Tavola ダイニングテーブル スチール脚(RO)」が置かれそれを取り囲む様に6脚の「Amanda チェア」が置かれています。「Amanda チェア」の色は3色がそれぞれ2脚置かれ少しまとまったバラバラチェアコーディネートになっています。
通常、オフィスの会議室には専用の会議テーブルやデスクが設置されることが一般的ですが、少人数の会議ではダイニングテーブルを使用するのも有効です。ダイニングテーブルを用いることで、オフィスでの会議でありながらもアットホームな雰囲気が自然に醸成され、打ち解けた会議の場を提供できます。
さらに、両側を本棚で囲まれている場合、対話相手の背景には常に本棚があり、特に本件のように出版社が業務の中心である場合、本棚の存在は打ち解けた雰囲気を保ちながら、会議の本筋を見失わない効果も生み出します。色違いで並べられたダイニングチェアと合わせて、結果的に非常に心地よく個性的な会議室が構成されています。
このような環境では、会議の進行がスムーズになり、参加者がリラックスしながらも集中して議論に臨むことができます。ダイニングテーブルの使用と本棚に囲まれた空間が相まって、オフィスの会議室がより魅力的で効果的な場所となっています。
「AbitaStyle(アビタスタイル) Amanda チェア」はリサイクルレザーを使用した椅子です。このリサイクルレザーの風合いは大変よく、本物の革と比較して全く遜色ないとまで思える素材です。
リサイクルレザー
リサイクルレザーとは、天然皮革の端材を集めて樹脂で固めた素材であり、合成皮革とは異なるものです。環境先進国であるドイツで開発され、イタリア、フランス、スペイン、アメリカ、カナダなど欧米諸国を中心に生産されています。リサイクルレザーは、皮革製品の製造過程で生じる端材を粉砕し、ラテックス樹脂と混ぜて固め、シート状に加工したものです。従来は廃棄されていた革素材を再利用した環境に優しい素材です。
リサイクルレザーの特徴としては、スクエア状のシートで供給されるため取り扱いが便利であり、本物の皮革に近い風合いを持ちます。さらに、本革と比較して価格が安く、表面に型押しや顔料染め加工が可能です。リサイクルレザーは革そのものであり、合成皮革とは異なり、その風合いや肌触りが優れています。
ヨーロッパでは古くから皮を革に加工し、靴や鞄、財布などの皮革製品として使用されてきました。しかし、革はサイズや大きさにばらつきがあり、部位によって品質が異なるため、大量生産には向いていませんでした。革を製品サイズに打ち抜く際に必ず端材が発生しますが、この端材の有効活用と皮革素材の効率的な大量生産のための研究が、ヨーロッパにおいて約100年前に始まり、現在に至っています。
このチェアに使用されているリサイクルレザーの背板と座板の輪郭にはパイピング加工が施されており、このサイズでのパイピング加工は本革では困難で太くなってしまいます。また、背板の内側の部分は切りっぱなしの加工が施されており、これは本革でも可能ですが合成皮革では難しい技術です。このように、「AbitaStyle(アビタスタイル) Amanda チェア」はリサイクルレザーの特性を巧みに活かし、スタイリッシュなデザインに仕上げられています。
一つの大きなテーブルに異なる複数の椅子を置く
一つの大きなダイニングテーブルに異なる複数の椅子を配置する「バラバラチェアコーディ」とは、椅子そのものに個性を持たせることで、人が座っていなくてもダイニングに生き生きとした雰囲気を生み出す手法です。バラバラチェアコーディには様々な方法がありますが、主に以下の二つに分類されます。
- 形を統一して色を変える(本件はこのケースです)
- 色彩を統一して形を変える
さらに、これらの基本手法を基に、自分の好きな色系統や形をある程度まとまったグループにする、全く異なるものを組み合わせる、序列をつけるなど、さまざまなアプローチが可能です。正解とされるものはなく、椅子は自由に動かせるため、日常生活の中で常に気にして楽しむことができます。
本件では、色の違いだけを取り入れたコーディネートですが、大きな会議テーブルを囲むことで、リサイクルレザーの特徴を生かしながら、会議スペース全体をスタイリッシュな空間に昇華させています。同一形状・同色で椅子を選んだ場合、必要な個数が揃わなかったり、届いた際の色合いが期待と異なったりすることが少なくありません。しかし、バラバラチェアコーディでは、そのような問題が発生しにくく、柔軟に対応できる点も魅力です。
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