習志野市にある新しいマンションにお住いのお客様、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」縦7コマ×横7コマを設置していただきました。造作家具のように床から天井まで届く大型の本棚が壁一面を覆っています。本棚にはコミック本やフィギュアなど趣味のコレクションが、壁面いっぱいに収納されています。
本棚は、厚さ15mmの縦板と横板のそれぞれに切れ込みを入れて相互に嵌合させて組み立てられています。両端の側板と横板とは最小限のボルトで固定されており、ボルトによって両脇から挟み込まれるような力が働いています。本棚の四隅のセルに挿入されたブレース材によって全体の平面方向への剛性が確保されていますので、背板をつける必要がなく、棚板を通して背後の壁面が見える構造です。背面には巾木を避けるカットが標準仕様で施されていますので、壁に沿わせて設置することができます。
棚板はグリッド状に整列しています。固定されたグリッドにコンテンツを当てはめていくという発想で造形されているので、本棚に収納されるコンテンツに関わりなく、常に本棚の最前面には棚板の描く幅15mmのグリッドラインが現れてきます。このグリッドラインが、それぞれのセルに収められたコンテンツの形状や色彩やボリューム感、あるいは何も置かれていない空間を統一し、壁の上を垂直に覆う大きな本棚のビジュアルの中にまとめていきます。本件では20個のセルにコミック本がびっしりと並べられ、13個のセルにはフィギュアなどが配され、一番上と一番下の段の14個のセルはブランクのままになっていますが、本棚全体の印象としては棚板が描く整然としたグリッドによる統一感が現れています。
マルゲリータの本棚の大容量の収納力はコミック本の収納に適していることから、多くの愛好家の方々に活用していただいています。本件では、下から4段にわたって多数のコミック本が収められています。コミック本はほとんどは定形の書籍でB6判やA5判、新書判が多く、棚に並べると全体としては長い直方体を形成する横一列のグループが出来上がります。一方その色彩に注目すると、コミック本では一冊ずつに読者の目を惹くための強い主張があり、どちらかというと派手な配色が多く、背表紙に書かれたタイトルの字配りや文字のデザインもバラエティ豊かです。また、数十巻に及ぶ長編の場合にはその集合は大きなボリュームを持ち、それらは本棚の上でまさしく「圧巻」という言葉が相応しい様相を示します。
こうしたコミック本をコレクションとして本棚に並べる際には、背表紙の集合体のビジュアルをどうコントロールするかが課題になりますが、マルゲリータの本棚に並べると、棚板の見付が描くグリッドラインの視覚効果で美しく整えることができます。大切なボリュームたっぷりのコレクションを壁面に収納し、展開し、いつでも眺めるようにしておけます。この本棚は、圧倒的な大容量の壁面収納という際立った機能だけでなく、大切なコレクションのディスプレイスペースとしての魅力もまた、備えています。
棚板と壁とが形成するセル内の空間にフィギュアが配されています。フィギュアは二次元上に描かれたキャラクターを三次元に起こした造形物なので、その存在感にはどこかフィクショナルな感覚が纏わりつきます。それがフィギュアの魅力の一つであり、ディスプレイする際にはその魅力を引き出してフィギュアの世界観をいかに形成するかがポイントになります。
本件は、その回答の一つです。1つのセルに1体のフィギュアを配置している様子は、キャラクターが元々存在していたコミックのコマを切り出してそれぞれに奥行きを持たせたようで、フィギュアそれぞれのストーリーを想起させるディスプレイになっています。本の脇の空間に立つフィギュアは、本棚全体のフォーカルポイントにもなっていて、スケール感のバランスも美しく、存在感が際立つディスプレイです。一方で下方に並ぶ5体のフィギュアは、スケールが揃っていて視線を惹きつけます。光の当たる具合や奥の空間とのバランスなどが絶妙な配置になっています。
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