世田谷区にある戸建住宅に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。
通路を作る
本棚の元々のサイズは、幅2,395mm、奥行き350mm、高さ2,400mmですが、天井の一部に下がり天井があるために右側の5枚の縦材をその寸法に合わせてカットしています。本棚の左右にハンガーラックのためのスペースが残っています。向かって右側は、張り出した梁の下で、ロングコートやロングドレスなどをハンギングできる高さがあります。向かって左側はジャケットなどを上下2段にして収納することが可能なスペースです。本棚の前に500mmほどの床が現れて、通路として使える床の面積が増えています。ウォークインクローゼットの内側という本来ならば閉じられたスペースを、扉を外して開いた結果、床と大容量の壁面収納が創出された事例です。
本棚の構造
本棚は、縦材と横材に相互に切り込みを入れて、嵌合させて組み立てる方式で形成されています。横材は両脇の側板にそれぞれボルトで固定されています。本棚の四隅のセルにブレース材を配置することで平面方向への剛性を確保しているために背板を設置する必要がなく、棚板の背後に壁が見える構造になっています。本件のブレース材は下方2段目に配されていますので、本棚の足元のゾーンが床から浮いているような独特な見え方になります。本棚の背面には巾木よけカット加工が標準仕様で施されており、本棚は壁にぴったり付けて設置されています。
2,395mm×350mmの細長い床面が、そのまま垂直方向に天井まで立ち上がって、49個のセルからなる大容量の壁面収納スペースが出来上がっています。1コマの内部有効寸法は、幅325mm、奥行き350mm、高さ325mmあります。なお、最上段の高さは天井高との関係で変化し、最下段の高さは10mm短くなっています。収納のプランは、まずセルに収まるサイズのコンテンツを選び、取り出しやすさ、使う頻度を最優先にその配置を考えていきます。
マルゲリータの本棚は棚板同士のスパンが短く固定されているために荷重に強く、セルに重量のある書籍や様々なメディアを充填しても棚板にたわみが生じることがほとんどありません。この本棚は1コマあたりの耐荷重が約30kgありますので、大量の蔵書などの重量のあるコレクションを全てのセルに隙間なく収納していただけます。
用途の選択
この本棚は、まだ何も収納されていない状態でも、何をどのように収納するかを考えるプロセスそのものが楽しい時間を提供します。本件においては、寝室のクローゼットという既存の機能を持ちながら、シャツ、セーター、肌着、シーツ、枕カバーなどの衣類やファブリック類を収納するスペースとしても最適です。
本棚として設計されたこの製品は、異なるサイズの蔵書、コミック全集、ファイルされた書類、CD、DVD、LPなどのメディアを収納するのに理想的であり、その真価を発揮します。また、陶器やガラス製のオーナメントを安定した奥行きにディスプレイすることができ、フォトスタンドやアート作品を飾るスペースとしても使用可能です。さらには、フィギュアやドールなどを背景と組み合わせてシーンを演出することも可能です。文房具や工具などの道具類を整理しながら収納したり、型崩れしやすいハンドバッグや帽子の定位置として利用したりすることもできます。
本棚の奥行き350mmという仕様は、セルの容積を最大限に活用できる点が魅力です。余裕のあるスペースでは、その余白を活かして配置を楽しむことができますが、収納するコンテンツが増えると、収納方法に工夫が求められます。この点を補うため、専用のカセット式オプションツールが提供されています。これらのユニットは、セルの中に挿入して使用するもので、配置換えも簡単に行えます。
例えば、大量の蔵書を収納する場合、一般的なA5判や四六判の書籍は前後2列に、文庫本や新書などの小型の本は3列で収納できます。しかし、後列に入れた本が埋もれてしまうという問題が生じることがあります。この問題を解決するために、セルの中に小さな棚を設け、段差をつける「本棚の中の棚」というアクセサリーが開発されています。
その他にも、セル内を水平に区切る「引き出し」や、縦に区切る「ファイルボックス」、縦横に区切る「CD用引き出し」など、多様なバリエーションが揃っています。さらに、組み立て式の「猫ステップ」や側板をネジで固定する「トレー」も用意されています。引き出しはシンプルなデザインで、前板には指をかけるための穴が一つずつ設けられており、このゾーンはソリッドなビジュアルで「見せない収納」が可能です。「見せる収納」と「見せない収納」を組み合わせて、個性的な壁面デザインをお部屋に取り入れることができます。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
その他の事例を見る