静岡県掛川市にある「漢方薬局 くら石」様の薬剤室に「Shelf 開口部のある本棚」及び「ロータイプ本棚」を設置いただきました。
薬局では、特定の薬品を薬局従事者のみが入室できる調剤室や倉庫に保管することが法律で定められています。また、その他にも多くの法律や規定に基づき、薬品の管理や関連作業を安全に行うための基準や要件が設けられています。そのため、調剤室はどの薬局にも必ず備えられている重要な施設です。本件では、薬局内の待合室やカウンセリングコーナーとは別に調剤室が設けられています。ここに掲載された画像は、その調剤室内の様子です。薬局には、待合室から調剤室内の様子を見ることができる「透視面」と呼ばれる小窓の設置が求められており、その透視面から見える壁面にマルゲリータの本棚が設置されています。
本棚は、奥から順に「開口部のある本棚 奥行350mm 」縦7コマ×横5コマ、「ロータイプ 本棚」縦2コマ×横7コマ、「開口部のある本棚 奥行350mm」 縦7コマ×横2コマです。
ロータイプの本棚を囲む
ロータイプの本棚の上部には、大きな空間が広がっています。幅2,395mmの本棚は横に7コマ分が並び、天板の奥行きは350mmです。この広いスペースをカウンターとして使用し、ここに秤を置いて棚から取り出した薬品を調剤します。調剤の様子は透視面から見えるようになっています。
両側の本棚の側板と壁に取り付けた縦胴縁で4枚の奥行の浅い棚板を支え、薬剤を整理するための棚を作っています。天板下のセルにも薬剤のストックが収納されており、施錠可能な掛け金付きの引き出しも設置されています。カウンターの端には鉢植えの胡蝶蘭が置かれ、空間に潤いを与えています。
調剤室の奥には「開口部のある本棚 奥行350mm」が設置されています。本棚の最上段では、縦材が斜めにカットされており、天井灯への干渉を最小限に抑えています。調剤室は十分な明るさを確保する必要があるため、この斜めのラインが意外な効果を生み出し、室内上部の空間に広がりを感じさせています。
この本棚は、下段中央の6コマ分に空隙がある構造です。開口部の上部には棚を支えるための桁が渡されており、この桁によって本棚全体の強度が確保されています。これにより、開口部の上段のセルにも重量のあるコンテンツを収納することが可能です。
手前にある「開口部のある本棚 奥行350mm」はオーダーメイドで製作されています。下から3段目と4段目が開口部となっており、ここにFAX専用機が置かれています。この部分の壁面には室内のスイッチ類が集中しているため、空隙を設けることでこれらをうまく避けながら活用されています。
マルゲリータの本棚は基本的に背板のない構造で、背後の壁面にあるスイッチやコンセントの配置を考慮しながら利用することが可能です。また、背板のない本棚の平面的な剛性を確保するために、四隅にブレース材が取り付けられています。この事例では、最下段の左側のセルにブレース材が入っています。写真では見えませんが、幅の狭い本棚の場合、上部のセルに背板を取り付けて補強することも可能です。
この壁面に設置された3台の本棚は、すべて同じスペックのセルを持っています。どの本棚も奥行きが350mmあり、セルの幅や高さも同一です。そのため、本件のように異なる種類の本棚が3台横並びに置かれていても、下段は同じ形状で連続して一体感を持って見えます。全体として、造作家具のように仕上がっています。
奥行き350mmの本棚には、カセット式の専用アクセサリーが用意されており、本件でも「A4書類収納用引き出し4段」をご活用いただいています。このアクセサリーは、4杯の引き出しとそれを支える4段の仕切り板で構成されています。本件では、引き出しと仕切り板を分けて使用し、奥の本棚の下から3段目には仕切り板を挿入して4段の浅い棚を作成しています。また、4杯の引き出しはロータイプの本棚の4つのセルに設置され、漢方薬のストックの収納に使用されています。
また、ロータイプの本棚の下段で施錠用の掛け金を取り付けてご使用いただいているのは、「ファイルボックス1列」です。
漢方薬局
漢方薬局では、漢方理論に精通した薬剤師が時間をかけて相談に応じ、その場で薬を選んで販売します。これは、いわゆる調剤薬局とは異なり、普通の薬局やドラッグストアには置いていない煎じ薬や豊富な漢方薬の種類を取り扱っています。そのため、バックヤードには多くの薬剤が保管され、薬剤師はその内容を丁寧に把握しておく必要があります。この要件に応えるために、専用の収納棚が設けられています。
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壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
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