本棚の本というのは、何気なく並んでいるようですが、並べ方も含めてその人の心が表れていると思います。
私の本棚は、ベッドからよく見える位置にあって、夜寝付けない時には簡単な本を選んでページを開いてみます。童話や詩集、絵本や花の写真集、旅行記や観光ガイドブック、中には高校の頃の歴史の教科書や資料集もあります。小説はちょっと苦手です。 詩の本ではやはり宮沢賢治がお気に入りです。よく夜中に目が覚めた時など、あの「雨ニモマケズ」をどこまで覚えているか、明かりを付けずに思い出してみます。でも、必ず一か所引っかかり、明かりを付けて本に手を伸ばします。花の写真集も、花屋さんでよく見る花の正式名が分かると嬉しくなります。「ゲーテ格言集」の<形作れ!芸術家よ!語るな!>の言葉には、いつも考えさせられます。私は絵を描きますが、よく喋るからです。もう少し黙って形作る必要がありそうだと思ったりします。 こうやって見てみると、私の本棚にはあまり厚めの大作の本がありません。ちょっと気軽に読めて、ホッと出来るような本が多いです。子供の頃の本棚に、一番始めに入った本はUFOの本でした。地球外に生物がいるということにすごく興味があった記憶があります。作家の遠藤周作さんもUFO大好きな方でしたね。でも、子供の時にUFOの本を読むと、夜中にトイレに行くのが怖くなる難点がありました。そしてもう一冊は「ゆかいな吉四六さん」でした。この本は始めは小学校の図書館で見つけて、面白くて何度も何度も借りてくるので、ついに母が買ってきてくれました。でも、ただ面白かったのではなくて、学校での息苦しさのようなものを、吉四六さんが優しく埋めてくれていたようにも思います。(学校から帰ったら、本棚に吉四六さんがある)と思って楽しみにして下校していました。 本棚はインテリアの一部でとてもよく目に入ります。そこに本当の自分が静かにいるのです。迷った時などに、黙ってもう一度自分を確認出来たり、慰めてくれたりする存在でもあると思います。 |
margherita 東京ショールーム
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