日々の生活で本棚が教えてくれるもの

本を読む習慣のある人なら必ずと言ってよいほど本棚を持っています。そして本棚の優れている点はその収容性にあるといってよいでしょう。限られたスペースに最大限の本を並べられるように工夫されており古今東西その様式は変わりません。保管のしやすさという点に関して言えば本棚特有の形状が多くの人に認められています。

しかし本棚はただ本を収納する役割だけを果たすのではありません。本棚に整然と並んだ本は様々なことを教えてくれます。その最たるものが自分自身の成長です。本棚に並んだ本を眺めていると自分の中に様々なことが思い起こされます。「この本は面白かった」とか「この作者は好きになれなかった」、「どうしてこんな本を読んだのだろう」といったことなど目の前の本にまつわる思い出をよみがえらせることができます。本棚に並んだ本はその読書体験を通してこれまでの人生の軌跡を再確認させてくれます。slf_voice28_03_thumb

本棚に入っている本は全て読了している必要はありません。昔手にとってはみたもののそのままになってしまった本は往々にしてあります。そしてその本は以前よく理解できなかったり途中で読むのを諦めてしまった本かもしれません。そこで本を捨ててしまったり押入れの中にしまいこんでしまっては二度と手に取ることはないでしょう。しかし本棚が自分自身と生活を共にしていることで何気なくふとしたきっかけに本を手に取ることがあります。以前に読むのを辞めてしまった本でも改めて読みなおすことで理解できたり作者の意図を把握できたりします。こうした本の再発見の機会を与えてくれるのも本棚の効用と言えます。

電子書籍の普及で本棚を持つ人は減る可能性があります。確かに収納性や利便性は電子書籍によって向上したかもしれません。しかし本はその内容にだけ意味があるのではありません。今までに触れてきた本を身近な場所に置いておき折に触れ手に取ることでその本にまつわる思い出を思い返すことができます。そうした思い出が今後生きていくときに糧となって様々な場面で大きな支えになることもあります。本棚は本だけでなく人の思いもしまう場所でもあることを教えてくれます。

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