個人で自宅に書斎を持っているという人は、どれくらいの割合なのだろうかと考えてみたことがあります。書斎を持っていれば、調べ物をしたり思索にふけったりということが簡単にできるだけでなく、リラックスできたり研究の成果をまとめたりするのにも最適なスペースになるでしょう。著名人はどんな書斎を持っているのか、そしてそこでどのような時間を過ごしているのか、ということについて興味を持っていました。そうしたことから見つけ出したのは「センセイの書斎・イラストルポ「本」のある仕事場」という本です。河出文庫で発売されています。著者は1967年に東京で生まれたルポライター兼イラストレーターの内澤旬子さんです。プロフィールとしては、ほかの著書に「身体のいいなり」「世界屠畜紀行」があります。共著としては松田哲夫さんとの「印刷に恋して」「「本」に恋して」、斉藤政喜さんとの「東方見便録」などを一緒に出している方です。この本では、それぞれの書斎と持ち主との関係をイラストと文章で紹介していきます。紹介されるのは、林望、荻野アンナ、静嘉堂文庫、南伸坊、辛淑玉、森まゆみ、小嵐九八郎、柳瀬尚紀、養老孟司、逢坂剛、米原万里、深町眞理子、津野海太郎、石井桃子、佐高信、金田一春彦、八ヶ岳大泉図書館、小沢信男、品田雄吉、千野栄一、西江雅之、清水徹、石山修武、熊倉功夫、上野千鶴子、粉川哲夫、小林康夫、書肆アクセス、月の輪書林、杉浦康平、曾根博義。31件が収録されています。普通なら到底見ることなどできない書斎の数々がイラストつきで詳しく記されています。作家さんなどの著名人だけでなく、公共施設の図書館や書店など個人の枠に留まっていないのがユニークです。この本の著者が幅広い交友をしていて信頼を置かれていることが良くわかります。どの書斎についても大量の本を持っていることが特徴です。どうやって保存し、活用するかが見所になっています。解説を直木賞作家の角田光代さんが書いています。それも面白かったです。
margherita 東京ショールーム
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