幼い頃から自分の本棚は与えたほうがいい

小さな子どもでも、自分だけの本棚を持たせてあげたいものです。

うんと小さなころには絵本を、小学校に上がるようになれば、読む本も字が小さくて多い本を読むようになってきます。次第に読む本が大人びてくることで、成長を自分自身で感じられるようになるものです。

本棚に並ぶ本がコミックやゲームの攻略本、ライトノベルばかりだとしても、それはそれで楽しく時間を過ごしている証拠でしょう。小難しい本ばかりが本人のためになるとは限りません。本を読む目的は、秀才になることではありませんから。

読書の一番の醍醐味は「他人の人生を味わえる」ことではないでしょうか。こんな感覚が得られるのは、読書以外では映画くらいでしょう。自分の知らない世界がたくさんあって、こんなにもいろんな人がいるんだということを子どもの時から知ることによって、確実に視野は広がると言えます。

本で得た知識よりも、実際の生活で得たものの方が影響は大きいというのはその通りだと思いますが、子どもに限らず大人でも実生活で経験できることは限られています。誰もが波乱万丈の人生を送るわけではありません。実際の経験と、本から得た知識をうまく融合させることが「知恵」となるのではないでしょうか。

本の世界は純粋な楽しみを与えてくれたり、ときには逃げ道になってくれたりもします。学校に行きたくない子は図書館においで、とツイッターでつぶやいた図書館員の人がいました。読書に没頭することで辛いことを忘れ、気持ちを持ち直すきっかけになることを若いうちから知っておいたほうがいいように思います。

本を読まない人が増えたと言っても、まだ日本人の中には本をよく読んでいる人への尊敬の念があるように思います。よく本を読む、つまりいわゆる教養と呼ばれるものを身につけることは、社会に出てから気が付かないようなところで自分を助けてくれるものです。そのことを大人はもっと子どもたちに教えたほうがいいかもしれません。