憧れだった背の高い書棚のある部屋

私は現在50代の主婦です。

実は昔から密かに「こういう部屋が欲しい」という願望がありました。

おそらく実現は不可能と分かっていても憧れて止まなかったのは、壁際いっぱいにぐるりと建てられた天井まで届くくらいに背の高い書棚がある部屋。

よくヨーロッパの映画などに出てくるような部屋全体が薄暗い感じで、一番上の棚にある本を見るには梯子を使って上らなければ無理というような、そんな部屋です。

slf-ar_voice21_02幼い頃から本が大好きだった私。そんな私に両親が子供向けの世界名作全集を買ってくれた時から、私の「もっと読みたい!」という気持ちはより一層強くなっていきました。

ジャンルも作者も国籍も関係なし。とにかく片っ端から興味の赴くままに何でもむさぼるように読みました。

いつも自分のそばにたくさんの本を置いて、お気に入りの本達を並べて眺めていたい。

そんな気持ちが「背の高い書棚のある部屋が欲しい」という気持ちに繋がっていったのだと思います。

今思えばあの「読書欲」は私という人間を作る大切な土台になっていたのですね。

年齢を重ねるにつれ、若い頃のようながつがつとした欲は薄れていきましたが、未だに背の高い書棚がある生活には憧れています。

今から10年程前に一戸建ての家を建てましたけれども、残念ながらやはり夢見ていたような部屋を作ることはできませんでした。

そのかわり、と行っては何ですが、数年前夫がDIYで寝室に小さな作り付けの書棚をプレゼントしてくれました。

白い壁と同じ白い書棚は、壁一面とまでは行かなかったけれど、壁の一面半分ぐらいを使い、高さは天井まであり、今の自分には十分な大きさです。

その書棚には私が集めた大切な本達が「イギリス」「ビートルズ」「アロマテラピー」などカテゴリー別に並べてあります。

暇な時にその中からその日の気分で一冊取り出して読むのが今の私の一番の贅沢です。

margherita 東京ショールーム

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