東日本大震災をきっかけに本棚をリフォームしました

本好きならば誰もが直面するように、私もまた本の置き場所には頭を悩ませてきました。正確に数えたことはありませんが、千冊以上の本を所有していたはずです。その全てを収容できる本棚となると、とても巨大なものになります。たいして広くもない部屋に住んでいるので、圧迫感のある大きな本棚はできれば避けたいところ。しかし、これといった妙案も見つからないので、仕方なく背の高い本棚をいくつか並べ、不満を感じつつも、本をうまく収納することは諦めてきました。

しかし、2011年の東日本大震災で状況は一変しました。本棚が倒壊してしまったのです。当時の私は東京住まいでしたが、マンションの10階で暮らしていたため、その揺れは大きく、組み立て式の本棚では耐えることができませんでした。大量の本が散乱した部屋は、地震発生時に家族が誰もおらず良かったと安堵するほどの惨状ぶりです。そして私は、本棚の下で家族が死ぬことがないよう、本棚のシステムを一から作り直すことに決めたのです。

slf-lr_voice12_05震災の反省を踏まえ、背の高い本棚は使用しないことにしました。頭の上から本が降ってくるような本棚はもう懲り懲りです。しかし、背の低い本棚をいくつも並べていては、家中が本棚だらけになってしまいます。本棚を減らすためには、本を減らす必要があります。そこで泣く泣く、要らない本を処分することにしました。二度と読み返すことがないであろう本や雑誌、また、必要になればデジタル書籍で買い直せばいいと思うような本は、近所の古本屋に売り飛ばしてしまいました。

大量処分して随分スッキリした本のコレクションを前にして、私には一つのアイディアがありました。それは、猫が遊べる本棚にしようというものです。うちは3匹もの猫を飼っているので、前々から猫の遊び場を増やしたいと思っていました。そこで、高いところに上るのが好きな猫のために、階段状の本棚を設置し、本棚の上をキャットスペースとして開放することに決めました。具体的に言えば、木製のキューブボックスを、地震対策も施しつつ、台形になるよう積み重ねたのです。

この本棚のリフォームは大成功だったと思います。本棚の背丈が低くなったので、圧迫感は消えて、部屋を広々と感じられるようになりました。また、本棚の階段を猫はえらく気に入り、毎日そこで憩うようになりました。家族にも好評で、鬱陶しがられていた私の書籍収集癖に、誰も文句を言わなくなりました。以前は重苦しいだけだった本棚が、今ではインテリアの一部として部屋に馴染んでいるのです。私にとって本の収納問題は積年の課題でしたが、今後はそれについて悩むことはなさそうです。

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