人は何故本を読むのでしょうか。
それはやはりその本が自分にとって興味深いからですよね。
読みたくもない本は人は手には取ったりはしません。
しかし今までに読んだ本の全てを自分の部屋の本棚に入れている人は殆どいないでしょう。
何故なら、学生時代に学校の図書館で読んだものや友達に借りたもの、読んだけれど処分してしまったものなど手元に残っていない理由が沢山あるからです。
それならば、家に置いてある本というものは余程気に入っているということになるのではないでしょうか。
引っ越しなどで真っ先に処分の対象になるのもやはり本です。
古本屋のお陰で、ゴミとしてではなく他の方に読んでもらうためにその居場所を変え、また誰かに読んでもらえるまで待つことになるのです。
本以外の物はただ捨ててしまうものの割合のほうが多いでしょう。
住居を移動する際、よほど大切にしているもの以外は邪魔なため処分をするのが普通です。
そんな状況の中大切に手元に残したものはやはり思い入れがあるものではないでしょうか。
しかし昔読んだ本を読み返す機会というのは意外なほど少ないです。
中には気に入ってはいても一度読んだきりそのままという本も珍しくはありません。
では何故そうまでして残しておくのでしょうか。
それは読んだ時の感動を手放したくないからかもしれませんね。
冒頭で、何故人は本を読むのでしょうと書きましたが、それは感動を求めているからかもしれません。
どんな小さなことでもその日一日の中で感動する事があると人はとても満たされた気持ちになります。
それは読書であっても同じことです。
物語の中に入り込み、主人公たちと同じ目線で感動を体験することはとても素晴らしいことなのです。
そして感動をした時の記憶というものはなかなか簡単には消えません。
本を残しておく心理はここにあるのではないかと思いました。
大切な本に囲まれるということは、自分が過去に体験した沢山の感動を手放さないための手段なのかもしれませんね。