小さな本棚がひとつあれば、そこはもうお気に入りの空間に

パソコンやタブレットで、手軽に書籍が読める時代になりました。持ち運びも簡単で場所を取らないことがこれら電子書籍のメリットとされています。確かに、印刷された紙媒体の書籍は嵩張りますよね。

では、嵩張ることは書籍にとってのデメリットなのでしょうか。いえいえ、それは大事な書籍の存在感。書籍には、内容とリンクするような装丁が施されています。紙の厚みや質感に色など、実際に手に取って確かめてこそではないでしょうか。

書籍類は、無造作に積み上げると雪崩をおこします。本棚にきちんと並べていても、埃は溜まり紙は変色していきます。これも書籍離れを起こす原因の一つかもしれません。

しかし、久しぶりに開いたページから、本の内容は勿論、当時の様々情景や思い出が蘇ってくることもあります。変色は、貴方と共に過ごした時の流れなのです。

時折り、本棚から書籍を一冊ずつ取り出して埃を払うのは、手のかかる面倒なことかもしれません。でも、手を掛けてやるからこそ愛着が湧くのもこれまた書籍だからだと言えます。つまり書籍は、手のかかるペットと同じ。

sc_voice10_02書籍は好きで良く購入するのだけれどど、全てを置いておく場所がないと嘆く方も多いと思います。四方を書籍に囲まれた自分だけの書斎を夢に描く方もいらっしゃるでしょう。しかし、収集家や研究者でもない限り、書籍だらけの部屋を持つ必要はないと言えます。書斎は、読み書き専用の空間を指します。そうです、一部屋がまるごと書斎である必要は何処にもないのです。

お気に入りの書籍だけ小さな本棚にでも綺麗に並べて、本棚の近くには少し書き物が出来るようなスペースがあればさらに良し。たったこれだけで、貴方と書籍の素敵な空間が出来上がります。こんな風に小さな書斎を作ることは案外容易いことです。

「ページを捲る」という言葉は、実にいいものです。指に紙が振れる感触、紙の摺れる音、新しいのページを開くワクワク感。それがお気に入りの空間でなおさら。ぜひ、自分だけの小さな書斎でお気に入りの書籍のページを捲ってみてください。

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